Q & A

歯軋りをすると歯は磨り減ってしまうと聞きましたが、歯軋りを止める方法はありますか?

歯ぎしりとは、過度に歯を食いしばったり、こすり合わせたりする動作のことを言います。これにより、歯が過度に磨耗したり、また顎関節にも修復不可能なダメージを与えることもあります。大人、又子供でも行いますが、多くは就寝時に行われ、自分では気がつかないため自分の意思でとめることは不可能と言えます。

歯ぎしりの原因については、現在研究が進められているところですが、大方にして肉体的、精神的ストレスが要因と言われています。肉体的ストレスには、病気や栄養失調、脱水症状などが、また精神的ストレスとしては、不安、緊張などが挙げられます。虫歯の治療後詰めた物が大きすぎて、正常な噛みあわせが得られず歯ぎしりが起こる場合もあります。歯ぎしりが行われる場合、体の中で最も強力な筋肉に属する3つの筋肉が関わってきます。これらは、こめかみの辺りから下顎にかけて発達しており、この筋肉が夜も酷使され休まらないために、典型的な症状である頭痛や顎関節の痛みが引きおこされます。歯ぎしりによって起こるその他の症状としては歯が痛く冷たいものや熱いものがしみる、頭痛を伴う、顔面の痛みを感じる、顎関節の辺りに懲りのような痛みを覚える、首に痛みを感じる、歯の表面が平らに磨り減っている、歯が欠けている、歯がぐらぐらする、治療したはずの歯が損傷を受けているなどが挙げられます。

歯ぎしりをしているのではないかと感じたら、歯や顎関節に与える影響が大きくなる前に、一般歯科医師の診察を受けてください。歯科医は、痛みの場所や、顎の動き、顎関節から異常な音が聞こえないか、歯が磨耗したり折れたりしていないか、などに注目して診察します。もしこの歯ぎしりが中度から重度の場合は、ストレスを少なくするような生活を心がけるようにというアドバイスを受けると共に、またスプリントと呼ばれる歯ぎしり予防の装置を毎晩装着することを薦められるでしょう。これは、硬質プラスチック製のマウス・ガードに似た物で、筋肉を休める働きをすると共に、歯の磨耗を防ぎます。歯軋りによって、既にダメージを受けてしまった歯は充填や歯冠装着といった治療で修復が可能です。ただし根管までにひびが入ってしまった場合は、根管治療が必要となります。

「歯軋りをしているのでは」と気になる方は、歯や顎に大きなダメージが与えられる前に歯科医師に相談してください。

抜かなければならないと言われている親知らずを放っておくと、どんな問題が起きるのですか?

親知らず(智歯)は、十代後半以降、一番奥に生えてくる歯のことを言います。4本生えてくるのが一般的ですが、これが3本以上だったり、まったく生えてこないこともあります。奥歯の後ろに親知らずが生えてくるためのスペースが十分残されていないと、親知らずが生えてこれなかったり、生えてこようとする過程で手前の歯を押したり、摩擦を生じたりします。そして他の健康な歯や歯肉までに様々な悪影響を及ぼします。こういった場合、親知らずは抜歯されなければなりません。親知らずの生え方、場所や角度等によっては、一般歯科医師から専門医師に紹介されることもあります。

親知らずのためのスペースが十分残されていないことにより引き起こされる問題は:

1.炎症 親知らずが出てこようとしている場所周辺の歯肉が炎症を起こし、赤くなったり、はれたりすることがあります。これにより痛みが引き起こされたり、顎が動かしにくくなったり、またさらには体全体がだるいと感じるようになることもあります。口臭が気になったり、口の中に奇妙な味を感じるようになったら、この炎症が原因という可能性もあります。
2. 痛み 親知らずが出てこようとしてその手前の歯を押し、これにより痛みを生じることがあります。
3. 歯並び 親知らずがその手前の歯を押してしまうことにより、歯が動いて歯並びを悪くすることがあります。
4. 腫瘍 もしこの親知らずが抜歯されないままでいると、その歯の根の周りに腫瘍ができることがあります。これにより親知らずは抜け落ち、さらには周辺の歯槽骨が溶けたり、他の健康な歯、または歯肉にも問題を起こすことがあります。
5. 虫歯 親知らずが隣の奥歯とこすれあい、双方の歯が損傷され、これによって虫歯となることがあります。この場合のダメージは深刻で、2本の歯を両方とも抜かなければならなくなることもあります。
6. 潰瘍 上顎の親知らずは、頬の方へと横に生えることがあります。そして常に頬の内側の粘膜とこすれあわされることにより、ここに潰瘍ができることもあります。

親知らずの生え方に問題がある場合、抜歯にあたっては、歯肉を切り開きこの親知らずをいくつかに分解して抜く方法がとられます。抜歯後歯肉は縫合され、糸は数週間後には自然と溶解します。溶解しない場合は、一般歯科医師がこれを取り除きます。

冷たい水を飲んだり、口をゆすいだりする時、歯が痛みます。でも冷たい物を口にしなければなんともありません。どうしてですか?

冷たい物を口に入れるとしみる、歯ブラシをあてるとキリッと痛む、口から息を吸い込む時に歯がしみるなどというような強く持続する痛みではなく、一過性の鋭い痛みとして感じられる症状を知覚過敏、正式には象牙質知覚過敏症といいます。これは刺激を与えない時には、なんら症状をあらわさないのも特徴です。

歯の神経は、歯の中心部にある歯髄(しずい)と呼ばれる場所にあります。歯髄は周囲を象牙質でおおわれており、それをまたエナメル質と呼ばれる硬い層がおおっています。象牙質内には、数多くの象牙細管が通っています。象牙質が露出すると、外界からの刺激が直接この象牙細管を通して歯髄に伝達され、痛みとして認識されるようになります。これにより知覚過敏が引き起こされる訳です。象牙細管が露出する原因としては次のようなものがあげられます。頻度の高いものとしては、間違った歯磨き習慣によりエナメル質が傷つけられることによるもの。あるいは歯周病などにより歯肉が下がり歯根が露出することによるもの。さらには歯軋りや歯を食いしばるくせがあることで歯に過度の力が加わり、それにより歯や周囲の組織が加重に耐えられなくなって、歯の表面が割れたりはがれたりすることによるものなどです。

知覚過敏は多くの場合、適切なブラッシングにより予防することが可能です。また症状があらわれたとしても、軽い場合は自然治癒することもあります。これは歯の神経が自らの力で、刺激を受けにくくしようとする修復力のためです。また生体の防衛本能から石灰が沈着し、象牙細管が閉鎖されることもあります。フッ素配合の歯磨き粉は、再石灰化を促す上で効果が期待できます。しかしもっと短期間で知覚過敏が治まるようにしたい場合は、知覚過敏の症状を抑えるハミガキ粉の利用をお薦めします。これには歯根の表面にあいた象牙細管の穴をふさぎ、刺激が伝わりにくくする成分が含まれています。しかしかなり症状が重い場合は、象牙質のコーティングや歯の削れた部分の充填修復などの治療が必要とされます。

知覚過敏はそのままにしておいても治癒することもありますが、不適切なブラッシングの場合は正しいブラッシングの指導を受ける必要があります。またさらに歯周病、歯軋りなどの深刻な原因も考えられる場合もあるので、症状が重くなる前に早めに歯科医師の診察を受けることをお薦めします。

転んだりして事故で歯が抜けてしまっても、それはまた元に戻せるという話を聞きましたが本当ですか?

事故など外界からの圧力により、歯が骨から離れて完全に抜け落ちてしまうことがありますが、このような場合、すぐに手当てをすれば、その歯がまたつくことがあります。

歯は歯茎と骨に支えられていますが、歯をしっかりと骨に固定する役目を果たしているのは歯根膜という組織です。外力によってこのように歯が抜ける場合、この歯根膜のほぼ中央で断裂が起きます。つまり歯根膜の半分は歯に付いたまま抜けるのです。ここで一番のポイントは、抜けた歯についている歯根膜が生きているかどうかで抜けた歯が助かるかどうかが決まってくるのです。もし生きていれば、抜歯窟という元の場所に戻することで血管がつながり歯は生き返る可能性があります。しかし歯根膜は乾燥に弱いため、口の中以外の乾燥した場所では30分程で死んでしまいます。つまり歯が抜けてから30分以内にそれを歯科医師により元に戻してもらうか自分で戻すことができれば、再び歯が生き返る可能性が出てくるのです。

歯が抜けてしまった場合は、すぐにその歯を探してください。その歯が見つかったら、必ず歯冠の部分(歯の頭の部分)を持つようにして、決して歯根(歯の根元の部分)には触らないでください。もしその歯が汚れていないようなら、抜歯窟に戻してすぐに歯科医師の診察を受けます。もし歯が汚れてしまっていたら、牛乳、それがなければ口の中で汚れを落とすという方法がありますが、水道の水では洗わないよう注意してください。歯根膜を保つには口の中の状態にしておくことが重要で、その点牛乳は体内の状態に近いというのが理由です。抜けた歯が抜歯窟に戻らない場合は、乾燥を防ぐためその歯を牛乳に浸して至急歯科医師の治療を受けるようにします。こうすることにより、歯根幕を数時間生かしておくことが可能です。ただし乳歯が同じように事故等で抜けてしまった場合は、抜歯窟には戻そうとはせず、急いで歯科医師の診察を受けるようにします。無理に戻そうとすると、下から生えてきている永久歯を傷つけることになるかもしれないからです。

事故による歯のけがを予測することは一見不可能のように思われがちですが、実はその多くを予防することが可能です。歯のけがは、まず幼児の遊びが活発になる時期に多くおこりがちです。そこで子供の歩き始めの時期には特に転落、転倒により顔を打たないよう親御さんが気をつけるようにしてください。またスポーツでは、特に選手どうしの接触が多いものの場合、マウスガードを装用することを強くお勧めします。品質の良いしかも自分の口にぴったり合うマウスガードを装着することで、運動中の怪我は、約90%減らすことができます。ただし薬局で手に入るタイプのマウスガードは、衝撃を受けるとはずれてしまい、飲み込んで気管に入る危険性もあります。歯並びが悪い場合は、飛び出している歯が損傷を受けることが多くなるので、歯並びを改善することも歯のけがを少なくする方法の一つと言えるかもしれません。

Dr. イアン・マラトス歯科医院(DesignDentistry)
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